幻の茶碗 銘障子

諏訪湖畔にあるサンリツ服部美術館で国宝の茶碗が公開されているというので、

見に行ってきました💓

 

サンリツ服部美術館HPより

今回の企画展ポスタ-です。

本阿弥光悦作 白楽茶碗 銘不二山

この国宝が収蔵されていることは以前から知っていましたが、

”地元あるある” ⇒ ”いつでも見に行けるや” ということで、一回も見てなかったのです😳

 

資料画像

今回初めて現物を見たですが、”素晴らしい” この一言につきますな💮

美術館の説明を見てわかったのは、この下の黒い部分は偶然黒くなったそうです。

それで焼きあがった茶碗を見た光悦さんが、雪をいただいた富士山のようだということと、

こんな傑作は二度とできない=不二 ということで「不二山」という銘をつけたそうです。

ところで長野県には国宝がいくつあるかご存知でしょうか?

善光寺と松本城、この ”二大巨頭” はむろんご存知かと思いますが、全部で10あるのです。

①善光寺本堂(長野市)

②安楽寺八角三重塔(上田市)

③大法寺三重塔(青木村)

④仁科神明宮本殿・中門(大町市)

⑤松本城天守閣5棟(松本市)

⑥旧開智学校(松本市)

⑦楽焼白片身変茶碗 銘不二山 光悦作(諏訪市)

⑧紙本墨画寒山図(諏訪市)

⑨土偶 長野県棚畑遺跡出土(通称 縄文のビ-ナス 茅野市)

⑩土偶 長野県中ツ原遺跡出土(通称 仮面の女神 茅野市)

この中の⑦と⑧を収蔵しているのがサンリツ服部美術館

諏訪市に本社を置くセイコ-エプソンはかつて「諏訪精工舎」などいくつかのグル-プ会社に

分かれていて、これを統合してできたのが現在の「セイコ-エプソン」

この会社の初代社長が服部一郎さん

そして服部一郎さんをはじめ服部家で所有されていた数々の名品を集めて展示しているのが

サンリツ服部美術館

すげえなあ よくぞまあ集めたものです

さて、長野県の国宝中、⑧の「紙本墨画寒山図」 これがどんなものか知りたいと思って

調べたのですが、なかなか画像がない

ようやく見つけたのがこれ↓

 

サンリツ服部美術館HPより

2019年に公開された時のポスタ-

ううん 私ごとき素人には、どうもこの絵の良さがわからん😥

しかし墨絵が中国から伝わったばかりの南北朝時代(大体700年くらい前)の作品ですから、

貴重なものには間違いない

宮本武蔵さんもモズの墨絵を描いていたなあ・・

すみません 勉強不足で🙏

しかしそんな不肖小松でも、この茶碗にはしびれました🎇

 

サンリツ服部美術館HPより

「赤楽茶碗 銘障子」

「不二山」と同じく本阿弥光悦さんの作品

どうして「障子」という銘がついたかというと、茶碗の割れ目から光が透けて見える、

というところからついたそうです。

何しろ現物を見て驚いたのが、その色合い

ポスタ-の写真では、まあ赤い茶碗ということはわかりますが、現物を見てご覧なさい

赤いというよりはピンク色

よくもまあこんな色が出せたなあという素晴らしい色なんです💯

芸術がよくわからない不肖小松でもしばらくじっと見入ってしまいました・・

さらにこの茶碗、こういういきさつがあったのですよ↓

 

江戸時代初期に活躍した趣味人、本阿弥光悦(1558〜1637年)が作り、

名品とうたわれながらも長く公にされなかった茶わん

「赤楽茶碗銘障子(あからくちゃわんめいしょうじ)」が6日、

諏訪市のサンリツ服部美術館で一般向けに初公開される。底に近い「腰」の部分に3本の裂け目があり、

日にかざすと透けて見えることなどから「障子」の銘が付いた。

存在と特徴だけが語り継がれてきた希代の一品という。

美術館によると、大正時代に出版された「大正名器鑑」にモノクロ写真が掲載されて以降、

1956(昭和31)年に開かれた茶会で一度使われた記録しか残っていない。

全体に赤みを帯び、透けて見える裂け目に加え、漆で継いだ側面の「火割れ」も特徴。

美しさと貴重さから名代の茶人たちに愛されてきた。

美術館は入手した時期や経緯を明らかにしていない。

6日から始まる「茶人に愛された数々の名碗」と題した特別企画展で展示する。

光悦の作で国宝の「白楽(はくらく)茶碗銘不二山(めいふじさん)」も並べる。

作者自身が銘を記した「共箱(ともばこ)」のふた、不二山を包んだとされる布も展示する。

2019年7月6日付 信濃毎日新聞より

 

存在と特徴だけが語り継がれてきた希代の一品

これが「実はここにあります」ということで、2019年に公開されたのですよ

”ええっ 本当にあったんかい❗” 茶器などに詳しいお方はこのように思われたでしょう

当時のポスタ-のフレ-ズ=「まだ見ぬ光悦に出会う」 まさにまさに

さて、ひととおり鑑賞を終えた私ですが、警備員の方に声をかけられました。

いやね 不審人物として声がけされたわけではありません

色々と作品の事などを教えていただいたのです。

お話によると、「不二山」「障子」などの名品は、

有名な美術館などから貸し出しを依頼されても、決して外には出さないそうです。

そう 諏訪の地から ”門外不出”

なので、これら名品を一目見ようと、県外からもかなりのお客様が来場されるとか・・

中には二度、三度と来場される方もいるそうです。

それにしても茶碗ですからねえ・・

よく割れずに残ってくれましたよねえ

おおそうだ 諏訪市および近郊にお住まいの方

ぜひ一度 ”地元のお宝” を鑑賞されてはいかがですか

さきほどの警備員の方のお話ですと「不二山」などの名品はいつでも見れるわけではなく、

おおむね3年から4年おきの企画展でしか出品をしないそうです。

今回の企画展は今度の日曜日まで!!                 小松 明