「燦々の家」完成見学会と古民家再生

皆さん、こんにちは。今月のコラムは弊社施工住宅の話題と古民家再生の仕事について少しお話したいと思います。

11月の27、28日に「燦々(さんさん)の家」の完成見学会を開催させて頂きました。
Y様様ネーミングの通り、光が降り注ぐ明るい自然素材の住宅となり多くの皆様に来場頂き心より感謝しております。また、開催を心よく承諾頂きました、Y様には大変感謝いたします。
私も28日は終日お客様のご案内をお手伝いさせて頂きました。当日は大変寒かったのですが、家の中は大変暖かく快適な住まいを体感して頂くことができました。Y様希望のバリアフリー、高気密、高断熱、自然素材の「ふるさと信州わ環の住まい」仕様で県産材を50%以上使用した、薪ストーブもある省エネ住宅となりました。お客様に大変喜んでいただいたことは社長冥利に尽きます。
また、I様より途中で色々なアイデアがあり変更をお願いしても、設計の吉川先生や山口現場代理人が対応して頂いた事も大変喜ばれました。社員をほめられることは私も大変うれしいことです。Y様御家族の幸せな生活を祈念し、アフターメンテナンスで長いお付き合いをお願いしたいと思います。

見学会準備風景

見学会準備風景

朝の太陽が降り注ぐ「燦々の家」

朝の太陽が降り注ぐ「燦々の家」

見学会の様子

見学会の様子

さて、続いての話題は、先日着工しましたI様邸 改修工事(古民家再生)です。
茅野市で、築100年以上の古民家をリフォームする工事です。

現在関東に住まれているI様の実家で、30年以上空き家となっていましたが改修して夏などに利用したいという希望での施工となりました。

I様は解体も考えたそうですがご両親の思い出や自身の少年時代の思い出も詰まり、なんとか残したいと思っていたところご縁ありまして弊社に相談頂きました。

弊社現場代理人と古民家再生の経験豊富な建築家と現場調査したところ、大変良い状態で残っておりました。構造材も100年前の良い材料で組まれていますし、無理な増改築や、張り包みなどしなかったことが幸いし、腐りもなく狂いも少ないため、再生すればすばらしい住宅に蘇るという提案をさせて頂きました。

内装外装もリニューアルしますが、今回の目玉は水廻りです。キッチン、お風呂、トイレは新しくし使い勝手の良い設計になっています。(なんとお風呂は、土間の旧馬屋に造ります。信じられませんが、昔は家の中に馬を飼っていたそうです!!)現在の便利な住宅からすると、使いづらく寒いところもありましたが、構造材や梁材は見事で、今の材料にはないものも多く大変勉強になります。

また、仕事もしっかりしていて、100年前の大工さんには敬意を表したいと思います。
I様には住んでいた当時の思い出話を聞かせて頂きましたが、家を通じて家族の絆を感じさせるお話が多くあり、是非、次の世代にも引き継いで頂きたいと思います。

12月は、片付けや一部解体、屋根の葺き替え等して、1月より内装工事の予定です。
私も大変楽しみにしていますので、工事途中をコラムでお知らせしていきたいと思っています。

見事な梁組み

着工

着工

 今月の読書
「最強の人生指南書」 佐藤一斎 「言志四録」を読む  齋藤孝 祥伝社新書 

 佐藤一斎の言志四録の訳本は、数多く出ていて私も何冊か持っていますが、今回の著者は大学教授の立場から、自分のやってきたことと照らし合わせた具体例や、今教えている学生を観察し幕末当時の人達と比べ解説しています。初めて読む人にもわかりやすいのではないでしょうか。
 今年はNHKの龍馬伝が大変人気でしたが、言志四録は幕末、明治初期の志士達のバイブルと言われた本だけあり、今忘れられている日本人の心を感じます。
 原作者の説明をしますと幕末の佐藤一斎という漢学の権威で、昌平黌(幕末の最高学府現在の東京大学)の先生をし、この学校の総長を務めました。一斎は生涯で3000人を教えたといわれ弟子には、佐久間象山、山田方谷(ほうこく)その孫弟子には勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作、伊藤博文など幕末の志士達が多数学びました。

 有名な文に
「少にして学べば、すなわち壮にして為すことあり。
壮にして学べば、すなわち老いて衰えず。
老いて学べば、すなわち死して朽ちず 」  

 訳しますと、自らが人間としてどう生きるかの志を立て少年時代10代から30代にしっかり学んでおけば、壮年40代50代になってそれが役立ち、意義のある仕事を成し遂げることができる。壮年になってからも学問に励めば、老年になっても頭や気力が衰えることはない。老年になってからも学問に励めば、頭はぼけないし、より見識が高くなり、周りからの尊敬も得て、死んでもその名が朽ちることはなくなる。この言葉は一生学び続ける大切さと、志を達成することにより充実した人生を送ることができるということを述べていると思います。

次の文も、とても良い文だと思います

「凡(およ)そ事を作(な)すには、須(すべか)らく天につかうる心有るを要すべし。人に示すの念有るを要せず」

 訳しますと、すべて事業をするには、天(神または仏)に仕える心を持つことが必要である。人に示す気持ちがあってはいけない。
 西郷隆盛の好んだ言葉で有名ですが、著者の齋藤氏は、『西郷さん含め維新の志士達は、自分の行動は誰もわかってくれなくても、天がわかってくれればいいという気持ちで行動していました。私の教えている若者は、自尊感情が思ったより低く自分はたいしたことがないと不安感を強く持っています。その一方で人から高く評価されたい、認めてほしいと思っています。場の空気を読み、まわりの評価を気にしていますが、このような混迷な時代こそ、人ではなく、天を相手に生き、行動していくことが大切でなのです。』と述べています。

最強の人生指南書

いよいよ、師走です。年末に向け忙しくなりますが、お客様の要望に答え良い仕事をしていきたいと思います。また年末、年始には次のコラムをアップできたらと思います、今月もよろしくお願いします。