築100年の古民家が生まれ変わりました

毎日暑い日が続き、弊社のような屋外の仕事には厳しい環境ですが、代人さんや協力業者の職人さんは、お客様のために良い仕事をしたいと思い皆がんばっています。私としてはうれしい限りです。私は営業やデスクワークが多いので屋内にいることが多いのですが、会社のフロアには応接以外にエアコンがないため昼間はやはり暑いです。今年は省エネを国全体で推進していますが、弊社は先駈けていたということでしょうか!?

さて、今月は築100年の古民家改修工事の最終報告をさせていただきたいと思います。

5月の連休には完成していましたが、7月末よりお施主様である伊藤様が別荘として利用するということで、区切りに私を呼んでいただきました。当日はお茶をいただき、会食を一緒にさせて頂きました。

今回お客様が本当に喜んでいただいたことがなによりうれしかったです。伊藤様がおっしゃるには「最初は解体も考えたけれど、渋崎建設と吉川設計士の提案が良くてだいぶ迷いました。完成してみてみごとな古民家に再生したのでおまかせして良かったと家族一同喜んでいます。」とお話しされていました。

伊藤様の古い家には家族の思い出が詰まっていて幼少時代のことは特に覚えておられるようです。伊藤様には家のことだけでなく東京に出て事業を興された経緯、ふるさとを大切に思っていること、事業をする要諦など色々なお話しを聞かせいただきました。

今回は、お客様、吉川設計士、弊社と皆が協力しあい良い仕事ができたと感謝したいと思います、尚伊藤様ご夫妻はたいへんたくさんの趣味をお持ちで、ご主人さんはゴルフ・登山を趣味にされていて高齢者登山のガイドなどもされているとのこと。又短歌の会を主催していて全国あちこち旅行をしながら短歌や句を詠まれるとのことでした。奥様は元体育会バトミントン部出身で、現在も大会等に参加されているとのこと。又茶道をたしなまれていて今回は炉を切ったり、水屋もつくられました。(この日お茶を振舞っていただきましたが、大変おいしかったです)

今後はこの古民家を利用され、豊かで楽しい人生を今後も過ごされることをご祈念申し上げます。

今回は、伊藤様ご夫妻には、多くのことを学ばせていただき勉強になりました。ありがとうございました。

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居間から座敷を望む 居間の様子(その1
居間の様子(その2) 竹垣のある庭と廊下
居間の様子(その2) 竹垣のある庭と廊下
外観全景 伊藤様の詠まれた短歌です。短歌集「やどぎり」より
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茶室と水屋  

 

安藤忠雄氏講演会に行ってきました。

6月は、梅雨入りで雨ばかりと思っていましたが、後半からは暑い日が続き夏のような日が続きました。6月のコラムはバタバタしているうちに6月末になってしまいましたので勝手にお休みして、7月からは又がんばりたいと思います。

6月11日土曜日に全国城下町シンポジウム 松本大会の記念講演会にて建築家 安藤忠雄氏の講演を聞くことができました。建築界の大物でもありますが私は常に挑戦してきたストイックな生き方に魅かれていたので、またとない機会となりました。
まつもと市民芸術館ホール(下諏訪町に幼少過ごした建築界の鬼才伊東豊雄氏が設計)にて13時30分開演なので前の席を取ろうと13時頃会場に入場しようとすると、なんとロビーで本人がサイン会をしているではありませんか。
しかも余り人が並ばす一人一人と雑談をしながら書いていましたので、すぐ著作を購入し並ぶこと10分、私の順番がまわってきました。本人の印象は小柄ではありましたが写真通り力強い目と全体の柔和さが印象的でした。私は著作のなかの「光と影」の話しの部分に大変感銘を受けましたと声をかけました。本人は「ありがとうと」少し照れくさい感じでしたが、名前や住所を聞いてくれてサインに名前や絵を入れてくれました。
うん、本当に幸運でした。

サイン会の様子です

印象的なホールの壁面

市民芸術館会場内の様子

さて、講演はサイン会が長引いたのか10分遅れで始まりました。
前半は自身の建築家としての有名な住吉の長屋のできるまでのエピソードやサントリーとライバルのアサヒビールの美術館を同時に請けて設計したエピソード、光の教会のエピソードなど肉声で聞かせてもらいました。
その中で、敷地がない、予算がない、施主の要求は過大という案件になると燃えてくる、何クソと思えば良いアイデアが出る。こんな条件では無理だと考えるようになったら、引退すると語ってくれました。建設に携わる身としては、まだまだ修行が足りないなあと思う言葉でした。
後半は、日本のこと今回の震災について想いを話してくれました。
世界で仕事をしていると、日本は崖っぷちに立っていると常々思う。若い人に世界で仕事をするという教育をしていかないと、無くなってしまうのではないか!日本は外国に出ざるをえない。海外の仕事は自分の意見を持ち、しっかり主張をすることが基本、アジアから見た日本は最悪の状況に見えると。
80年代日本は経済一辺倒になり、文化的生活や家族・地域を犠牲にし、ひたすら親は働いた。ところが恵まれたはずの子供の世代になると、働かない、親の意見を聞かない若い人が大量に増えてしまった。これでは、世界では通用しない。
日本の建築は、品質、スケジュール管理では世界のトップの技術がある。これを伝承していけば、まだまだがんばれる。自分の職業をしっかりやり、精一杯努力するそうすれば全員に可能性がある。
又地方へのアドバイスは、ふるさとに愛情を持ち、隙間をぬって可能性にかけ、その場所に合ったものを造ることが大切。自分達の夢を持つことを教示頂きました。
最後に震災については、親を亡くした子供も大変多く、阪神淡路大震災から遺児育英資金の活動に注力していて、「桃・柿育英会東日本大震災遺児育英資金」を立ち上げ子供達を10年育て、世界で活躍できるひとを育てていきたいとその想いを語って頂きました。

今回の講演は、本当に良いお話しを聞けたと思いました、内容も濃かったのですが先生はやはり関西出身、苦しかった経験も漫才のネタのように話すので、しばし爆笑の渦でした。
今回は松本と近く、まつもと市民芸術館ホールもはじめて観させてもらい有意義な1日となりました。又サインされた本は大切に取っておきたいと思います。
来月はきちんとアップしたいと思います。今年の夏は暑いですかね?。

安藤氏著作 「住宅」

この絵は十字架でしょうか?

 

 

世代を超えて使い続けられる家具

 5月の連休も終わり、春から初夏を感じる季節となってきました。3月の東北太平洋沖地震の影響で静岡県の浜岡原発の停止により、いよいよ長野県も大きな影響があるのではと思う今日この頃です。

 今月のコラムは少し家具のことを話したいと思います。
 私達は住宅や別荘の新築、またリフォームのお客様に住空間を提案をさせていただくことがありますが、家具やカーテンまで考えた住空間が理想の提案だと思っています。
 家具といっても様々な種類がありお客様の好みも多様ですが、最近のシンプルな住空間には華美な家具よりシンプルな自然素材の家具が使い易く、使っていて飽きが来なく、なにか落ち着く感じがします。その中でも北欧の家具は、何世代も使うことを前提にしているので定番の家具も多く、長く使って傷んだ時は修理もでき、年数で考えればお得なエコの買い物かと思います。
 私個人の好みでもありますが、お客様にはそんな家具をお勧めしています。弊社のショールームも北欧の家具を置かせてもらっていますが、弊社だけでなくいろいろな家具のショールームを観たり、色んな椅子に座ってみたりして、設計段階で家具を想定して検討すると使い勝手の良い空間になると思います。

 弊社のシュールームは、東京のアクタスという家具店や雑貨の老舗より仕入れています。ビバルデの丘建売別荘も前は、アクタスで統一した家具付きの販売をした経験もあります。先月着工の別荘のお客様にも紹介しましたら、既に居住している神戸にてショールームをご覧になり、大変気に入っていっていただいたということもありました。都市圏では、結構メジャーなショップとのことでした。
 私も東京出張があると、帰りがけに新宿のショップを覗いてきます。季節ごとにディスプレイが変わり、おしゃれな食器や家庭用品が売られていて、仕事にも関係しますが、自分も楽しんでいます。松本にもパートナーショップの「マテリアル」さんがありますので、興味のある方は覗いてみて下さい。
 それでは、又来月お会いしましょう。

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アクタス新宿店

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ライフスタイル提案型です。

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最近は子供向けも充実しています。

今月の読書

「坂の上の雲」 司馬遼太郎 18巻 文春文庫

 昨年年末にNHKの大河ドラマでたまたま観ることがあり、30代の時に読んだ感動が蘇り、今年に入って他の本を読む合間に読んでいました。全然進まなかったのですが、3.11の大震災のあと、明治維新、太平洋戦争敗戦につぐ日本の試練と喧伝され、本の読みかけを思い出し、3巻くらいから残り8巻まで、5月の連休までに一気に読んでしまいました。
 明治維新から、30年後の日露戦争までを描いた話なのですが、日本騎兵を育てた秋山好古(よしふる)、連合艦隊参謀で天才と謳われ、バルチック艦隊に勝利した秋山真之(さねゆき)兄弟と、真之と同級生だった俳句短歌の正岡子規を中心とした物語です。
 日露戦争とはロシアのヨーロッパ最強と言われた陸軍とこれまた最新鋭のロシア海軍、旅順艦隊とバルチック艦隊を相手に、ロシアの朝鮮への南下に対し日本の存亡をかけた全国民の戦争といえます。東洋の最貧国が欧米世界に追いついていくという、壮大なドラマでもありました。同じ日本人の血が流れているいと思うと、日本は何があっても復活していくと勇気が沸いてくる本でもあります。
 その中で、日本の政治家も軍のトップもロシアの強さ、戦費の厳しさ、五分五分でアメリカに仲裁を頼み講和に持ち込む算段など、戦略、戦術、戦闘において全てがうまくいった奇跡だったと思います。これはトップから一兵士、一国民までが犠牲をいとわず全国民が気持ちで戦った戦争だったと思います。
 私は戦争には反対ですが、その後軍部の独走で精神論だけで多くの犠牲を出した、太平洋戦争とは全く性質の違う戦争だったことがよくわかりました。
 又この本の中には、当時の教育の高さ、実力があれば出身は問わない公平さ、市民の質素倹約、人との繋がり、志の強さなど現代の私達に欠けているものも多く含んでおり、自分自身の生き方を改めて考えさせられました。機会があれば是非ご一読をお勧めします。

「ぶれない」建設サービス業とは

 4月に入り暖かな日が続き、春らしい季節となってきました。桜の開花も諏訪は4月17日くらいの予想のようで今週には桜咲くのニュースが聞けそうです。

 さて、3月の東北太平洋沖地震での被害が明らかになりつつありますが、TV報道等を観ますと復興のために産業廃棄物処理業や建設業は本当に地域に必要とされている産業と改めて認識しました。3月は弊社でも、お客様の工場が東北で被災し応急的な復旧工事に1週間近く職人さんと応援に行ってきました。又山梨県のお客様には計画停電の対応で、発電機の手配などさせて頂きました。担当者にはそれぞれ苦労して頂きましたが(東北は車で片道13時間かかりました)お客様の繁栄のためという弊社経営理念の実践ができたこと本当にうれしく思います。お客様がいなければ私達の仕事も成り立たないことも改めて感じた出来事でした。

 3月は弊社施工の諏訪市茅野市衛生組合発注の新し尿処理施設が竣工となりました。諏訪市上川にあった施設が諏訪湖畔の野球場の隣接地に新築移転しました。平成21年7月に着工し今年3月引渡しまで19ヶ月の長期の工事でしたが無事、無事故で完成し感謝状を戴きました。まわりの公園も整備されましたので、野球場や公園に行った際にはちょっと覗いてみてください。発注者様をはじめご協力頂いた全ての方々や地元区の皆様に感謝いたします。

3月23日竣工神事の様子

横笛を奏でる宮坂宮司

また、3月には、霧が峰高原 ビバルデの丘 D様別荘新築工事の地鎮祭が行われました。将来定住を希望されているお客様で、大変喜んで頂きました。この場所からは、富士山や八ヶ岳が見えるため、完成後はすばらしい眺望と拝察します。

神事のあと、お客様と手長神社宮坂宮司とビバルデの丘管理事務所でお茶を頂きましたが、宮司よりここは「国見」の場所としてすばらしいとお客様と盛り上がりました。「国見」とは昔、殿様が自分の領地を高いところから眺め、「世の民は平穏に暮らしているかのう」とか言って国を案じていたという由来です。D様もお友達に「国見」に来ませんかと招待状を出したいと、楽しいひと時となりました。

国見ができそうです。

国見ができそうです。

地鎮祭の様子

地鎮祭の様子

 3月は、多くの工事が終了し法人や個人のお客様に喜んでいただきました。私達の造った建築物や、土木構築物が末永く地域や個人の皆様に利用頂き喜んで頂ければと願っています。仕事をさせていただきありがとうございました。建設サービス業を更に極めたいと思う今日この頃です。

今月の読書
「ぶれない人」 小宮一慶 幻冬舎新書
 コンサルタントの小宮さんは、現在ベストセラーを連発し、TVなどでも有名ですが、10年前位に、諏訪信金さんの講演会でお話を聞きすっかりファンになりました。当時は一部の経営者に知られていましたが今は全国区という感じです。
 小宮さんの本は、いつも原理原則を語っています。本人は中国古典などを研究し、ボランティアでカンボジアに行くなど、人柄の暖かさや心の深さを感じます。
 今回の本では、ぶれない為の正しい考え方や信念のある人になるためにといった、とても基本的なお話が多かったのですが、現在混沌とした状況の中で志を持ち、信念を貫いて仕事をしていくことの大切さを学びました。
 本の中の一例ですが、ある老師の言葉で「経済は、人を幸せにする道具です。手段なのです。政治も同じです。目的は人を幸せにすることです。」と紹介しています。また、「会社やビジネスも同じで、良い商品や良いサービスを提供すると結果として売上げをお客様から頂き、社員さんにも還元でき会社に関わる全ての人が幸せになれる。」とあります。
 弊社が今、良い商品・良いサービスを提供できているか? をしっかり考えていきたいと思います。

古民家再生リフォームその後

 みなさんこんにちは。東日本大震災で被災された方々には渋崎建設一同、心よりお見舞い申し上げます。
 弊社のお客様にも、東北で工場を操業されていたり、個人では親戚があったりと大変心配ですが是非この困難を乗り越えていただきたいと切に願う次第です。私も当日は、会社の社屋内におりましたが、大変な揺れと船酔いのような気持ち悪さで外に避難をしました。まさか東北であのような大惨事になろうとはその時は思いもしませんでした。諏訪も東南海地震の指定地域なので今後も警戒が必要です。みなさんも、気をつけて頂きたいと思います。

 さて、今月は前にもお知らせした古民家の再生リフォームの途中経過を少しお知らせします。先週、お施主様が東京より現地に来訪され打ち合わせをしました。少し傾いていた柱の修正や、お風呂やトイレなど水廻りの進捗状況を確認して頂きました。
屋根も瓦からカラー鉄板葺きにとなり重量が軽くなった為、地震や台風での心配が減り大変喜んで頂きました。又、お風呂や下水道接続も順調に進んでいますので、早く使ってみたいとのお話でした。
 4月末には完成予定です。お客様の豊かで楽しい別荘ライフになることを期待しています。

施工前の様子

以前土間だった場所がトイレとお風呂に

改修後が楽しみな浴室

古民家遠景

今月の読書

「働く君に贈る25の言葉」佐々木常夫 WAVE出版
 以前とある雑誌のインタビューで紹介されていた著者ですが、病気の奥様と子供を看病し、子育てをしながら仕事できちんと成果を出し、東レの取締役から東レ経営研究所の社長を務められました。この時すごく気になっていましたが、今回著書がベストセラーになっていたので、早速購入しました。
 自分の甥っ子に向けて諭すような文章で分かり易く、読みやすい本でした。その2番目に「『目の前の仕事』に真剣になりなさい。きっと見えてくるものがある。」とありました。 「最初は食べる為と思っていた仕事も、目の前の仕事を一生懸命と工夫しながらやっているとそれがうまくいったときの喜びを知り、人に褒められたり、上司に信頼されてより重要な仕事を任される。」とありました。私も若い頃こんな思いをしたことを思い出し、今、自分も目の前の仕事を真剣にしているか?又上司として部下の仕事を褒めたり、信頼して任せることをしているか?その大切さも学んだ気がします。
 そして、「運命を引き受けなさい。それが生きるということです」という言葉が印象的でした。人も会社も仕事内容も何かの縁での出会いであり、佐々木さんは家族の病気や不幸も運命と引き受け、自暴自棄になりそうな自分をしっかりコントロールして、今の家庭の幸せがあり、逃げずに運命を引き受ける大切さを語っています。なかなかそこまで達観できない自分ですがこれが原理原則なのではないかと思いました。久しぶりに心温まり、元気を頂いた本でした。